9-nine- 完全クリア後感想と言う名のメモ

9-nine-

シナリオ:★★★★★
絵    :★★★★★
音楽    :★★★★★
演出    :★★★★★
濡れ場    :★★★★★


■9-nine- ここのつここのかここのいろ

4部構成の第1章。大企業の娘なのに庶民というクラスメイトの女の子がヒロインであるすべての始まりの物語。起承転結の「起」
アーティファクトや世界観などを覚えるための話の印象
主人公がアーティファクト収集に協力し始める動機も、薄っぺらい綺麗事などではなく割と(かなり)欲に忠実な動機で逆に取り繕っていな感じが出ていてとても交換が持てる。
この章ではあまり根幹になるようなことは語られていないが、序章としては良い出来だと感じた。

プレイ後は「ほーん、こんな感じなのか」という印象


■9-nine-そらいろそらうたそらのおと
4部構成の第2章。天真爛漫な主人公の妹がヒロインであるアーティファクトについて徐々に語られていく物語。起承転結の「承」
この章からアーティファクトの力について徐々に語られていくが、まだ物語の革新には触れられない、と言った形
何よりも妹の天(そら)が良い。兄妹の掛け合いや喋り方など、演技力が群を抜いて素晴らしいと感じた。
主人公も人間的に成長しているのが目に見えてわかるようになってくるので、更に好感が持てる。
ただ、バッドエンドはかなり心に来たので注意が必要かもしれない。

プレイ後は「ほほう、面白くなってきたぜ」という印象


■9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ
4部構成の第3章。二重人格のオタクコミュ障先輩がヒロインで、アーティファクトやその他諸々についての重要なことが明かされ始める物語。起承転結の「転」
ここのつ、そらいろをプレイしていたときは正直このヒロインの先輩にはあまり良い印象を持っていなかった。
だがはるいろをプレイし、印象がガラッと変わった。何だこの先輩、めっちゃええやん。おっぱいは世界を救った。

プレイ後は「これは……ええやんけ!」という印象


■9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと
4部構成の第4章。厨二病を拗らせた他校の女の子がヒロインで、ほぼ全ての謎が発覚する物語。起承転結の「結」
このヒロインもここのつ、そらいろ、はるいろをプレイしていた時にはあまり好きにはなれなかったが、印象がガラッと変わった一人である。「なんだこの可愛い生き物は」とキレました。
物語の最終章であるためアーティファクトに関する物語に決着がつきます。ただ、一筋縄では上手くいかず……といった感じでした。
ぶっちゃけこの章だけは別格にストーリーが良いです。最終章と言うだけあって物語も佳境なのでまぁそうだろうなという感じはしますが、正直圧巻でした。
第1章では優しかった主人公が優しさを捨て非情になる瞬間は本当に胸を打たれました。
どん底から這い上がり自らの優しさを捨て立ち向かう姿は本当にかっこよく、例えるならシュタインズゲートみたいな感じだと思います。見方によっては闇落ちに近いですがまぁそれもまた一興です。
繰り返しになりますが正直この章だけは別格でした。演出の仕方、音楽の入り、展開、すべて一級品だと感じるほど素晴らしい作品です。
終盤のとあるエンディングで「あ~やっとハッピーに終わってよかったねぇ~~(安堵)」と思っていた瞬間に……の部分の絶望感は半端じゃなかったです。思わず椅子からガタッて立ち上がって数秒間呆然としました。
その絶望感溢れる展開から更にその上を行く絶望感が押し寄せてくるので、正直「え、マジで救いは無いの??」と思ってしまうほどの鬱展開(見方にもよる)でした(満身創痍)
ただ最終的には納得ができる形で終わるので、回収しきれていないことを除けばモヤモヤは無かったです。

プレイ中盤は「おお~おもしろくなってきたやんけ!!!!!」
プレイ終盤は「え……??は……???」
プレイ後は言葉が出ませんでした。


■9-nine- 新章
回収しきれていなかったことや、各ヒロインとの後日談などが描かれてる作品。
新章をやるかやらないかで、ゆきいろ後にモヤっとしたものが残り続けてしまうため、プレイは必須だと感じた。
個人的に気になっていたことなどを全て回収してくれたので新章クリア後は一切のモヤモヤはなかった。
新章単体で見るとかなり短い作品だが、問題なく楽しめた。

 

■総括
なんで今までこの作品をやらなかったのだろうとここから思うほど素晴らしい作品でした。
つばす先生の絵がものすごく良きです。最高です。
Hシーンもかなり作り込まれており素晴らしかったです。あとゆきいろ終盤のとあるシーンの裏付けとしてHシーンがないと辻褄合わせが難しい可能性あるけど全年齢版はどうなっているんだろう?という疑問はありました。
演出の面ででも作り込みがすごく、ゆきいろで述べた音楽の入りや重要な展開での激アツシーンなどなど、挙げるとキリがないくらいには良さがありました。
終盤以降にはとある叙述トリックも使用されており、終始驚かされてばかりの展開と演出でもう…すごいねこれは。